肝硬変で障害年金が受け取れる場合

文責:所長 弁護士 水野高徳

最終更新日:2025年07月11日

1 肝硬変と障害年金受給

 肝硬変も、症状によっては障害年金の受給が認められる場合があります。

 こちらのページでは、肝硬変で障害年金が受け取れる場合の受給要件について順番に見ていきます。

2 初診日

 初診日とは、障害の原因となった傷病について初めて医療機関を受診した日のことで、障害年金申請では重要なものとなります。

 肝硬変に関しては、肝炎との関係性も確認が必要です。

 肝硬変は、長期の過剰なアルコール摂取や、B型肝炎、C型肝炎等のウイルス性の肝炎が原因となっているケースもあります。

 肝炎は肝硬変と因果関係のある傷病とされていますので、肝炎から肝硬変となった場合には、基本的に肝炎で初めて医療機関を受診した日が肝硬変の障害年金申請の初診日となってきます(社会的治癒が成立する場合等の例外も考えられます。)。

3 保険料納付

 肝硬変にかかわらず障害年金受給の基本的な要件ですが、一定の年金保険料の納付が必要となります。

 初診日の前日を基準に、初診日が属する月の前々月まで(例えば2025年7月10日が初診日であれば、2025年7月9日時点での2025年5月分までの納付状況をみるということになります。)の納付状況について、①直近1年間未納がないか、②公的年金制度の加入以降に3分の1以上の未納がないことのどちらかを求められます。

 20歳前障害基礎年金に該当する場合(初診日が20歳前の場合)は年金保険料の納付義務がまだ生じていないため、保険料納付の要件自体がありません。

4 障害状態

 肝硬変の障害状態に関する認定基準は以下をご参照ください。

 参考リンク:日本年金機構・国民年金・厚生年金保険 障害認定基準

 ※「第13節 肝疾患による障害」の箇所

 肝硬変を含む肝疾患の障害年金の審査は、「総合的に認定する」ものとされており、「1 認定基準」の四角の枠に囲まれた「障害の状態」の欄を読んでもどういう症状が何級に相当するのかははっきりと分かりません。

 ただ、「2 認定要領」の⑹で等級に該当するものが例示されており、ここには、診断書に記載された検査成績、臨床所見、一般状態区分表の評価から等級が認定されることが示されています。

 検査成績と臨床所見については中等度の異常、高度異常の2段階、一般状態区分はアからオまでの5段階に分けられており、例えば3級については「検査成績及び臨床所見のうち中等度又は高度の異常を2つ以上示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの」とされています。

 「2 認定要領」の⑹はあくまで例示ではありますが、この例示の内容からすると、例えば検査成績と臨床所見について中等度の異常が1つしかない場合には、見通しとしては障害年金の受給が難しいのではないか、ということが分かります。

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